「感性と設計」培風館(1999)

初めて指導教官の先生方と共著にしていただいて執筆した思い出深い本です。

2020年の今からすると、21年も前、研究内自体は90年代中頃の5年間分をまとめたものです。

現在では、この当時よりもさらにコンピュータパワーも進化しており、ニューラルネットワークの階層は当時実用的な規模は3層程度であったものが、現在は100層以上でも実用化されているディープラーニング(深層学習、以下DL)が流行しています。

かつてのニューラルネットワークではできなかったことができるようになっているというわけです。ビッグデータという言葉が一頃、盛んに取り上げられていましたので、大量のデータを学習する必要のあるDLとも相性が良く、とても盛んに研究開発が行われているようです。

しかし、私が上記の本で扱った内容は、むしろビッグデータの時代より昔でした。さらに「人間の感性情報」という、比較的、データの取得に手間暇がかかり、学習に利用できるデータはたかだか20個程度(教師付きデータ)しか取れない、という状況でどのようにニューラルネットワークの柔軟な情報処理機能をモノづくりに活用するのか、という工夫を行ったものです。

このため、今考えても、今読み返してみてもニューラルネットがDLになっていたとしても、なかなか斬新で、面白研究を指導教官から叱咤激励の厳しい指導を受けながら取りまとめ、さらには出版もできたなぁ、と感慨深いものです。

すでに事実上、絶版となっておりますので、中古本を入手するしかありませんが、20~30年近く前にこんなことを考えていた研究グループがあったのだ、ということを垣間見ていただければとうれしく思います。